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第1９回鎌倉検定試験２級
《寺院・神社の問題》
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| 寺院・神社に関する記述について，最も適当なものを1～4から選びなさい。 |
| （36） | 「金龍山 釈満院 円頓（ ） 」はある寺院の正式名称を示している。 （ ）にあてはまる寺院名は何か。 |
| １ 妙隆寺 ２ 満福寺 ３ 宝戒寺 ４ 光明寺 |
| 「円頓」とは、天台宗開祖の最澄が唱えた大乗戒のこと（仏道修行者が実践するべき規範）。 宝戒寺は「円頓戒」を広めるための道場として開かれました。 |
答 ３
| （37） | 伯父が和尚を務めていたことから吉田松陰が逗留したことがあり，境内にそれを示す碑が残る寺院はどこか。 |
| １ 建長寺 ２ 浄妙寺 ３ 瑞泉寺 ４ 妙本寺 |
| 明治維新の指導者の一人吉田松陰は、１８５４年（安政元年）、下田で密航を企てる直前に、瑞泉寺の住職だった伯父の竹院和尚に会いにきたといわれ、境内には「松蔭吉田先生留跡碑」が建てられています。 |
答 ３
| （38） | 身延山久遠寺から日蓮の遺骨を分骨して，本覚寺が「東身延」と呼ばれる由縁をつくった人物はだれか。 |
| １ 日出 ２ 日朝 ３ 日朗 ４ 日親 |
| 本覚寺は、三島の本覚寺を拠点に伊豆一円を教化した名僧・日出が建立した寺。 日出は伊豆国宇佐美（現在の伊東市）で鏡澄丸という聡明な少年に出会い、弟子にして鎌倉に連れ帰ったのだとか。 その子が二代住持となる日朝。 日朝は日蓮宗の総本山・身延山（久遠寺）十一世法主として身延山を中興。 身延山に祀られていた日蓮の遺骨を本覚寺に分骨しました。 |
答 ２
本覚寺分骨堂| 本覚寺の本堂横には分骨堂が建てられています。 |
| （39） | 光明寺の境内に大檀家である内藤家歴代の墓があるが，内藤家が藩主を務めていたのは次のうち何藩か。 |
| １ 延岡藩 ２ 米沢藩 ３ 秋月藩 ４ 中津藩 |
| 光明寺の内藤家の墓所には、磐城平藩主・日向延岡藩主の内藤家歴代の墓が建ち並んでいます。 光明寺の国宝「当麻曼荼羅縁起絵巻」は、内藤家から寄進されたもの。 |
答 １
| （40） | 腰越にある勧行寺，妙典寺，東漸寺，本龍寺，本成寺，法源寺に共通する山号は何か。 |
| １ 龍護山 ２ 龍王山 ３ 龍口山 ４ 小動山 |
| 勧行寺・妙典寺・東漸寺・本龍寺・本成寺・法源寺は、日蓮の法難霊場に建てられた龍口寺を守ってきた輪番寺。 龍護山は源義経ゆかりの満福寺、龍王山は日蓮ゆかりの霊光寺、小動山は弘法大師ゆかりの浄泉寺の山号。 |
答 ３
| （41） | 次のうち，鶴岡八幡宮の現在の本宮と若宮を再建造営した人物の組み合わせとして正しいものはどれか。 |
| １ | 宮－徳川家光 若宮－徳川家綱 |
| ２ | 本宮－徳川家光 若宮－徳川秀忠 |
| ３ | 本宮－徳川家斉 若宮－徳川秀忠 |
| ４ | 本宮－徳川家斉 若宮－徳川家綱 |
| 鶴岡八幡宮の現在の本宮は、１８２８年（文政１１年）、江戸幕府十一将軍徳川家斉の命により水野忠成を奉行として竣工。 若宮は、１６２２年（元和８年）から始まった江戸幕府二代将軍徳川秀忠による鶴岡八幡宮大改修時のもの（１６２６年（寛永３年）完了）。 |
答 ３
| （42） | 鎌倉最古の厄除け神社として知られるのはどこか。 |
| １ 甘縄神明神社 ２ 荏柄天神社 ３ 八雲神社（大町） ４ 巽神社 |
| 大町の八雲神社は、新羅三郎義光が祇園精舎の守護神・牛頭天王を祀る京都の祇園八坂社（現在の八坂神社）を勧請して創建された社。 祇園八坂社は、平安時代に疫病退散を目的に発展した祇園信仰発祥の社。 日本三大祭の一つとされる祇園祭は疫病退散のために始まった祭礼。 八雲神社例大祭（大町まつり）は、「天王祭」「祇園祭」とも呼ばれます。 「天王祭」とは牛頭天王を祀る神社の祭礼のこと。 ただ、牛頭天王は仏教の神ですので、明治の神仏分離で除かれています。 |
答 ３
| （43） | 源頼朝が佐助稲荷神社を建立するように命じた人物はだれか。 |
| １ 畠山重忠 ２ 工藤祐経 ３ 和田義盛 ４ 梶原景時 |
| 佐助稲荷神社は、源頼朝が伊豆の蛭ヶ小島の流人だった頃に夢に出てきた「かくれ里の稲荷」を祀る社。 稲荷神のお告げで鎌倉に武家政権を樹立した頼朝は、畠山重忠に命じて社殿を建立させたのだとか。 |
答 1
| 銭洗弁財天の宇賀神（弁財天）と稲荷神は同じ神？ |
| （44） | 鎌倉七福神について，次の説明文で内容に誤りを含むものはどれか。 |
| １ | 浄智寺の境内の庭の片隅に立つ布袋尊のお腹は，鎌倉七福神巡りの参拝者が頻繁に触るので，その部分が黒くなっている。 |
| ２ | 奥宮で弁財天を祀る銭洗弁財天宇賀福神社は，特に巳の日に商売繁盛などの福徳を願う参詣客が多く訪れる。 |
| ３ | 執権北条一族慰霊のため，その邸宅跡に建立された宝戒寺には，軍神として武家に篤く信仰された毘沙門天が安置されている。 |
| ４ | 長谷寺の大黒天像は1412年（応永19）の作で，神奈川県内では最も古いといわれ，現在 観音ミュージアムに収蔵されている。これとは別に新しい大黒天像が境内に祀られている。 |
| 正解は２のようですが・・・ 何が誤りなのかわかりません。 参考までに、浄智寺の布袋尊は裏山のやぐらの中に置かれています。 銭洗弁財天宇賀福神社は本宮に市杵島姫命、奥宮に弁財天（宇賀神） を祀る社。 鎌倉五名水のひとつ銭洗水で銭を洗うと福徳が得られるのだとか。 |
答 ２？
| 浄智寺の布袋尊、宝戒寺の毘沙門天、長谷寺の大黒天は鎌倉江の島七福神の福神。 |
| （45） | 鎌倉宮について，次の説明文で内容に誤りを含むものはどれか。 |
| １ | 明治天皇の勅命により1869年（明治2）に創建され，鎌倉宮と自ら命名された。 |
| ２ | 祭神は大塔宮護良親王であることから，大塔宮とも呼ばれる。 |
| ３ | 足利尊氏と対立した護良親王は，本殿裏の土牢に幽閉されたという。 |
| ４ | 境内には大塔宮護良親王の墓とされる宝篋印塔が残されている。 |
| 鎌倉宮は明治天皇が護良親王を祀るために建立した社。 護良親王は、天台座主（比叡山延暦寺の貫主）を勤め、大塔宮とも称されました。 父の後醍醐天皇の倒幕運動に参戦して活躍しますが、足利尊氏と対立して東光寺に幽閉され、北条時行の反乱（中先代の乱）の際に尊氏の弟の直義によって殺害されました。 鎌倉宮は東光寺跡に建てられましたが、境内には護良親王が幽閉されたという土牢が残されています。 護良親王の墓は理智光寺跡にあって宮内庁に管理されています。 護良親王の首は、理智光寺の住僧によって葬られたのだと伝えられています。 |
答 ４
| 寺院・神社について関連あることがらの組み合わせとして誤っているものを 1 ～ 4 から選びなさい。 |
| （46） | 寺社とその別称 |
| １ 杉本寺－覆面観音 ２ 八雲神社（大町）－お天王さん ３ 青蓮寺－鎖大師 ４ 八坂大神－佐竹天王 |
| 杉本寺の行基作の十一面観音は、「下馬観音」「覆面観音」と呼ばれています。 八雲神社（大町）は、明治の神仏分離まで牛頭天王を祀っていた社。 青蓮寺の弘法大師像は、鎖で繋がれているような細工が施され、「鎖大師」と呼ばれています。 八坂大神も牛頭天王が祀られていた社ですが、相馬次郎師常邸の守り神だったことから「相馬天王」と呼ばれていました。 「佐竹天王」と呼ばれていたのは八雲神社。 |
答 ４
| （47） | 寺宝と関連人物 |
| １ | 延命寺の「地蔵菩薩像」 －北条時頼夫人 |
| ２ | 浄光明寺の「地蔵菩薩立像」 －足利直義 |
| ３ | 成福寺の「聖徳太子像」 －親鸞 |
| ４ | 圓應寺の本尊「閻魔大王坐像」 －康運 |
| 延命寺の「地蔵菩薩像」は、北条時頼夫人の身代わりになったという裸地蔵。 浄光明寺の「地蔵菩薩立像」は足利直義を助けたという矢拾地蔵。 成福寺の「聖徳太子像」は、開基の北条泰次（成仏）が親鸞から賜ったというもの。 圓應寺の「閻魔大王坐像」は、運慶が彫ったという笑い閻魔。 康運は運慶の子で、鎌倉彫は康運が作った仏具が始まりなのだといわれています。 明王院の不動明王像や常楽寺の阿弥陀三尊像は康運の作かも。 圓應寺の初江王坐像を彫った幸有は、康運の弟子筋なのかも。 |
答 ４
| 寺院・神社について，次の説明文の〔 〕に最も適当なものを1～4から選びなさい。 |
| 〔 (48) 〕にある九品寺の創建は1336年（建武3・延元元）で，〔 (49) 〕が鎌倉に唯一建立した寺であると伝えられる。尊敬していた〔 (50) 〕を京から招いて開山とし，北条方の戦死者を弔うため，鎌倉攻めの折の本陣跡に建立した。山門と本堂に掲げられた「〔 (51) 〕」と 「九品寺」の額の字は〔 (49) 〕の直筆を写したものとされ，直筆の額は本堂に安置されている。 |
| (48) |
| １ 由比ガ浜 ２ 大町 ３ 材木座 ４ 小町 |
| (49) |
| １ 足利尊氏 ２ 護良親王 ３ 足利直義 ４ 新田義貞 |
| (50) |
| １ 夢窓疎石 ２ 風航順西 ３ 願行 ４ 然阿良忠 |
| (51) |
| １ 内裏山 ２ 新居山 ３ 大異山 ４ 祇園山 |
答
（４８） ３
（４９） ４
（５０） ２
（５１） １
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| 九品寺は、１３３３年（元弘３年）に稲村ヶ崎を突破して鎌倉に攻め入った新田義貞が本陣を構えた地に建てられた寺。 |
| 〔 (52) 〕の御霊神社は〔 (53) 〕時代に創建され，祭神は〔 (54) 〕である。〔 (54) 〕は 武勇に優れ，〔 (55) 〕の時，右目を矢で射抜かれながらも，怯むことなく敵を射倒したという武勇伝が残っている。 |
| (52) |
| １ 長谷 ２ 扇ガ谷 ３ 極楽寺 ４ 坂ノ下 |
| (53) |
| １ 奈良 ２ 平安 ３ 鎌倉 ４ 室町 |
| (54) |
| １ 鎌倉権五郎景政（正） ２ 染屋時忠 ３ 坂上田村麻呂 ４ 八幡太郎義家 |
| (55) |
| １ 平将門の乱 ２ 平忠常の乱 ３ 前九年合戦 ４ 後三年合戦 |
答
（５２） ４
（５３） ２
（５４） １
（５５） ４
| 坂ノ下の御霊神社は鎌倉権五郎景政の屋敷跡に建てられたという社。 景政は平安時代に大庭御厨を開拓した開発領主。 御霊神社の創建年は不明ですが平安時代と推定されています。 景政が八幡太郎義家に従った後三年合戦で右目に矢を受けながらも奮戦したという伝説から、御霊神社は「目の神様」として親しまれています。 |
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