鎌倉手帳(寺社散策)

鎌倉殿の13人 二代執権北条義時
特集!「鎌倉殿の13人」伊豆国編 特集!「鎌倉殿の13人」鎌倉編



第3回鎌倉検定試験1級
記述式の問題 その3

編集:yoritomo-japan.com







  次の文の[ @ ]、[ A ]に最も適当な語句を書きなさい。
 ただし、[ @ ]、[ A ]両方できて正解とする。
 (「両方できて正解」の問題です。高レベルです。)


[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 平氏打倒の旗挙げの直後、[ @ ]の合戦に敗れた源頼朝は、海上で三浦氏と合流して、房総半島に逃れた。再度、関東の豪族を集めて勢力を立て直し、鎌倉に入り、[ A ]に屋敷を構えた。


 伊豆国に流されていた源頼朝は、1180年(治承4年)、平家の目代山木兼隆を討ち、相模国に進軍しますが、石橋山の戦い大庭景親伊東祐親らの軍に敗れてしまいます。
 一時、箱根権現に身を寄せますが、真鶴から安房国に渡って再起し、千葉常胤上総介広常らを従えて鎌倉入りを果たします。
 鎌倉に入った頼朝は、父義朝の屋敷跡(現在の壽福寺辺り)に御所を構えようとしますが、狭いことや岡崎義実が義朝のために建てた祠があったことなどから、大倉の地を選びました。
 当初の頼朝の御所は、山ノ内の首藤兼道の屋敷を移したものだといわれています。
 安倍晴明の護符の貼られた屋敷で火事に遭ったことがないということで選ばれたということです。


答 @ 石橋山 A 大倉


石橋山古戦場
リンクボタン石橋山古戦場
大倉幕府
鎌倉観光大倉幕府跡


源頼朝挙兵



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 奥州藤原氏を攻めたとき、平泉で見た、中尊寺大長寿院の見事さに魅せられて、源頼朝がこれを模して造営したのが[ @ ]である。現在、[ @ ]は失われてしまったが、本堂にあたる[ A ]は、周辺地域の地名として名残りを留めている。


 源頼朝は、奥州平泉の寺院に魅せられて、永福寺を建立しました。
 永福寺建設に当たっては、畠山重忠の怪力伝説や、頼朝を暗殺しようとした平忠光の伝説が残されています。
 本堂は中尊寺大長寿院(二階大堂)を模した建物であったことから「二階堂」と呼ばれ、今も地名として残っています。
 問では、「中尊寺大長寿院の見事さに魅せられて」となっていますが、本堂の両側に阿弥陀堂、薬師堂を従え、前面には苑池も造営されていることから、全体のイメージは、無量光院を参考にしたのかもしれません。


答 @ 永福寺 A 二階堂


鎌倉永福寺
鎌倉観光永福寺跡

中尊寺金色堂
リンクボタン中尊寺
毛越寺
リンクボタン毛越寺

観自在王院跡・舞鶴が池
リンクボタン観自在王院跡
無量光院跡
リンクボタン無量光院跡


奥州平泉



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 室町時代、初代に足利尊氏の子、足利基氏が就き、東国十カ国を統治した鎌倉府の長官を[ @ ]といい、その補佐役を[ A ]とよび、初代に上杉憲顕が就いた。


 鎌倉幕府が滅びた後も、鎌倉は重要な地であったことから、「鎌倉公方」が設置され、その補佐役として「関東管領」が置かれました。
 鎌倉公方の屋敷跡は、浄明寺にあります。
 注意するのは、Aで、「管領」だけですと将軍の補佐役となってしまいます。


答 @ 鎌倉公方 A 関東管領


リンクボタン鎌倉公方屋敷跡

リンクボタン関東管領



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 江戸時代、鎌倉・江の島は行楽地として注目されるようになる。鎌倉を訪れたことがある2代水戸藩主[ @ ]が編纂させた『[ A ]』は、観光案内に利用された。


 水戸黄門で親しまれている徳川光圀は、訪問の記録が建長寺英勝寺瑞泉寺などに残っています。
 光圀が編纂させたのは『新編鎌倉志』です。
 鎌倉五名水などの鎌倉の名数が載せられていました。
 地誌ですので、最後の文字が「誌」としてしまいがちですが、正確には「志」となります。
 また、水戸光圀と書きそうですが、本来は「徳川光圀」です。
 したがって、水戸光圀や水戸黄門では不正解です。


答 @ 徳川光圀 A 新編鎌倉志


新編鎌倉志
リンクボタン新編鎌倉志



[ @ ]は漢字で書きなさい。

 成就院のアジサイは、その株数は、[ @ ]の文字数に、石段の数は、[ A ]の数と一致する。

 成就院は、由比ヶ浜材木座海岸が見渡せるアジサイの名所です。
 アジサイの株数は「般若心経」の文字数である262株、石段は「煩悩」の数と同じ108段です。


答 @ 般若心経 A 煩悩


成就院のアジサイ
リンクボタン成就院のアジサイ



[ @ ]はカタカナで、[ A ]は漢字で書きなさい。

 円覚寺の塔頭佛日庵の[ @ ]の株は、若い頃、日本に留学していた中国の作家[ A ]から贈られたものである。


 円覚寺の塔頭佛日庵「ハクモクレン」は、「魯迅」から贈られたもので、大佛次郎の帰郷にも描かれています。
 魯迅はハクモクレンの他に、泰山木(タイザンボク)も贈っているようですが、テキストから考えると@は「ハクモクレン」なのでしょうかね。


答 @ ハクモクレン A 魯迅


佛日庵のハクモクレン
リンクボタン佛日庵のハクモクレン







[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 [ @ ]橋は、鎌倉幕府の裁判を司る役所[ A ]がこの付近にあったことに由来する。


 御成小学校正門近くに架かる橋は、鎌倉十橋の一つで「裁許橋」と呼ばれています。
 近くには大倉御所から移されたという「問注所」がありました。


答 @ 裁許 A 問注所


裁許橋
リンクボタン裁許橋
問注所跡
リンクボタン問注所跡



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 現在も鎌倉市と横浜市金沢区の境界となっているのは、[ @ ]切通である。また、鎌倉市と逗子市の境界となっているのは、[ A ]切通である。


 鎌倉と金沢を結ぶ切通は「朝夷奈切通」、鎌倉と逗子を結ぶのは「名越切通」です。どちらも当時の面影をよく残した切通です。
 「朝比奈」は不正解です。


答 @ 朝夷奈 A 名越


朝夷奈切通
リンクボタン朝夷奈切通
名越切通
リンクボタン名越切通



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 杉本寺の本堂の周りには「奉納[ @ ]」と書かれた幟が立てられている。また、杉本寺は、寺の前を馬に乗って通ると必ず落馬してしまうことから[ A ]観音ともいわれる。


 杉本寺の幟には「奉納十一面杉本観音」と書かれています。
 杉本寺の観音様は、「下馬観音」とも「覆面観音」とも呼ばれていました。


答 @ 十一面杉本観音 A 下馬


杉本寺
リンクボタン杉本寺



[ @ ]、[ A ]ともに漢字で書きなさい。

 壽福寺の開山は、日本における臨済宗の開祖である[ @ ]で、中国から茶の種を持ち帰り、わが国に喫茶の風習を広めたことでも知られ、源実朝の健康を願って『[ A ]』を献呈した。


 壽福寺の開山は「栄西」で、我が国臨済宗の開祖です。
 初め京都で布教活動をしていましたが、延暦寺などからの迫害に遭い、鎌倉に来たといわれています。
 しかし鎌倉でも禅が素直に受け入れられたわけではなく、壽福寺は、天台・真言・禅の三宗兼学の寺でした。
 栄西は、源実朝が二日酔いのときに茶を勧めたこということです。
 そのとき実朝に献呈したのが『喫茶養生記』です。


答 @ 栄西 A 喫茶養生記


栄西
リンクボタン栄西禅師坐像
喫茶養生記
リンクボタン喫茶養生記



[ @ ]は漢字で書きなさい。

 笛田運動公園の近く、仏行寺の裏山の頂上には、武勇で知られる梶原景季の片腕を埋めたという[ @ ]塚がある。妻を祀ったといわれる鎌倉山にある[ A ]塚は、[ @ ]塚と向い合うように建っている。


 梶原景季景時の子です。源頼朝の名馬、生食(いけづき)と磨墨(するすみ)は、宇治川の合戦の折り、佐々木高綱と景季に与えられました。
 名馬を拝領した2人は、宇治川を渡る際に、先陣を争い、景季が先を進んでいましたが、後方の高綱が「馬の腹帯がゆるんでいる。おしめなされ」と声をかけたため、景季は腹帯を締め直しました。
 その間に高綱は先に川の中へ馬を乗り入れ、向こう岸へと馬を乗りあげてしまいます。
 これに刺激された源義経軍は、木曽義仲軍を散々に討ち破ったという伝説が残されています。
 頼朝亡き後の1200年(正治2年)、父の景時結城朝光を讒言したことで、御家人の弾劾に遭い、鎌倉を追放され、駿河で最期を遂げました。
 そのとき景季も行動を共にして討たれています(参考:梶原景時の変)。
 仏行寺の景季の塚は「源太塚」と呼ばれ、鎌倉山の妻信夫の塚は「しのぶ塚」と呼ばれています(参考:梶原景時の墓)。 


答 @ 源太 A しのぶ


源太塚
リンクボタン源太塚
(仏行寺)
しのぶ塚
リンクボタンしのぶ塚
(鎌倉山)

梶原山
リンクボタン梶原景時終焉の地
(静岡市梶原山)



指示なし。

 長谷寺の本尊である十一面観音菩薩像の特色は、右手に本来は地蔵菩薩の持ち物である[ @ ]を、左手には、[ A ]を差した華瓶を持つことで、現世利益の観音菩薩と滅後の来世を救済する地蔵菩薩の2つの慈悲を合わせ持つというところである。


 長谷寺の本尊十一面観音は「長谷寺式十一面観音」と呼ばれ、右手に錫杖(しゃくじょう)、左手にハスを持っています。


@ 錫杖(しゃくじょう)
A 蓮華またはハス(はす)[のはな]


鎌倉・長谷寺
リンクボタン長谷寺
長谷寺・観音堂
リンクボタン観音堂



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