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鎌倉新仏教
鎌倉時代に発展した新しい仏教

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鎌倉新仏教



 我が国の場合、仏教の浄土思想が一般の庶民に普及するには時間がかかった。

 平安時代までの仏教は高貴な者のためのもの。

 高い教養が必要で、一般庶民には遠い存在だった。

 鎌倉時代に登場した仏教は、それまでとは違った簡単な教えを説き、武家政権とともに発展していった。

 これまでの既存宗派も新しい教えに影響されるようになり、現在の各宗派の原型が形成されていったといわれている。





=浄土宗=
(宗祖:法然)

 宗祖法然は、念仏(「南無阿弥陀仏」)を唱えれば、だれもが極楽浄土に往生できると説いた(他力本願)。

 浄土宗第三祖の然阿良忠が鎌倉に入ったことで浄土宗が関東に広まったといわれている。

 良忠が開いた光明寺には、のちに関東総本山の称号が与えられ、江戸時代には「関東十八檀林」の筆頭寺院として栄え、各地から学僧が集まった。


光明寺
リンクボタン光明寺
(浄土宗関東総本山)


リンクボタン鎌倉の浄土宗の寺

リンクボタン知恩院(浄土宗総本山)





=浄土真宗=
(宗祖:親鸞)

 宗祖親鸞は、浄土宗開祖法然の弟子。

 阿弥陀仏の他力本願を信じることにより成仏できると説いた。

 親鸞は、明王院で行われた北条政子十三回忌に北条泰時の招請を受けて参列したとされている。

 現在、鎌倉には浄土真宗の寺は一つしかない。

 小田原北条氏(後北条氏)によって、「浄土真宗の寺は、本堂が平地に建ち、挙兵の場となる危険がある」として迫害されたため、武蔵や三浦に移っていったのだという。


成福寺
リンクボタン成福寺
(鎌倉唯一の浄土真宗)


リンクボタン鎌倉の浄土真宗の寺

リンクボタン伊豆成福寺





=時宗=
(宗祖:一遍)

 浄土宗の一派。

 宗祖の一偏は、「踊念仏」をひろめ、「決定往生六十万人」と書いた紙の札(賦算札)を配って全国を歩いた(遊行)。

 六十万人の人々に配ることを目標としていたが、実際に配れたのは、二十五万一千人余だったといわれる。


一遍
一遍像
リンクボタン光触寺


リンクボタン鎌倉の時宗の寺

リンクボタン時宗総本山遊行寺(清浄光寺)

リンクボタン一遍上人地蔵堂跡(片瀬)





=日蓮宗(法華宗)=
(宗祖:日蓮)

 宗祖日蓮は、法華経こそが真の教えと説く。

 過激な宗教活動で幕府より弾圧されたが、次第に武士や商工業者に支持されるようになる。

 日蓮の『立正安国論』は、元寇(蒙古襲来)を予言したとして知られている。


日蓮
日蓮像
リンクボタン長勝寺


リンクボタン鎌倉の日蓮宗の寺

リンクボタン鎌倉と日蓮





=臨済宗=
(宗祖:栄西)

 鎌倉の寺院の3分の1が臨済宗に属する。

 浄土宗などが「他力本願」なのに対し、禅によって悟りを開く「自力本願」の宗派。

 臨済宗は幕府によって保護され、五代執権北条時頼は、宋の蘭渓道隆を招き、日本で最初の本格的禅宗寺院である建長寺を、八代執権北条時宗は、宋の無学祖元を招き円覚寺を建立している。

 宗祖栄西は、宋(中国)より茶の種を持ち帰って栽培するとともに、『喫茶養生記』を著したことでも知られている。


寿福寺
リンクボタン栄西開山の壽福寺


リンクボタン鎌倉の臨済宗の寺

リンクボタン鎌倉の禅僧





=曹洞宗=
(宗祖:道元)

 臨済宗と同じ禅宗。

 宗祖道元は、五代執権北条時頼に招かれ鎌倉に滞在しているが、時頼の寺院建立要請を断り、越前永平寺に帰っている。

 臨済宗が武家の間で広まったのに対し、曹洞宗は庶民の間に広まった。


道元
リンクボタン道元顕彰碑


リンクボタン鎌倉の曹洞宗の寺





リンクボタン鎌倉の天台宗の寺

リンクボタン鎌倉の真言宗の寺

リンクボタン鎌倉の真言律宗の寺



リンクボタン鎌倉の寺院

リンクボタン鎌倉の宗派



杉本寺
リンクボタン鎌倉三十三観音
光触寺塩嘗地蔵
リンクボタン鎌倉二十四地蔵


圓應寺
リンクボタン鎌倉十三仏
浄智寺布袋尊
リンクボタン鎌倉・江の島
七福神





☆成仏と往生☆

 成仏とは、簡単にいうと「さとり」をひらいて「仏に成る」こと。

 これまでに「さとり」をひらけたのは、釈迦だけであることを考えると、通常人が仏に成ることはかなり困難なことだ。

 では、どうすれば成仏できるのか?

 極楽浄土に行き、そこで成仏のための修行をすることによって、確実に成仏できるというのが仏教の教えである。

 そして、極楽浄土に行くことを「往生」という。

 平安時代から多くの信者のあった阿弥陀仏信仰は、念仏を唱えるだけで、極楽浄土に往生できるという教えで、死の恐ろしさから多くの庶民を救った。








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