鎌倉手帳(寺社散策)

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円覚寺舎利殿
〜鎌倉唯一の国宝建造物〜

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円覚寺舎利殿


 舎利殿(しゃりでん)は円覚寺塔頭正続院の昭堂。

 鎌倉で唯一の国宝建造物。

 釈迦の歯(仏舎利)を納めていることから「舎利殿」と呼ばれる。

 当初の舎利殿は1563年(永禄6年)の火災で焼失してしまうが、1573年(天正元年)、北条氏康によって西御門にあった尼寺太平寺の仏殿が移築された。

 室町時代中期(15世紀)頃の建築物と推定され、日本最古の唐様(禅宗様)建築物。
 
 サワラ木葺の屋根は日本建築にはない急勾配なものであるが、これが禅宗様の特色であり、屋根の四方が反り上がりは、尼寺の仏殿らしい女性的なものに造られている。


 舎利殿(太平寺の仏殿)には、東慶寺所蔵の「木造聖観音立像」が安置されていた(鎌倉地方独特の「土紋装飾」が施された仏像。)。





円覚寺正続院
リンクボタン正続院

 円覚寺塔頭正続院は、開山無学祖元の塔所。

 1285年(弘安8年)、九代執権北条貞時が仏舎利を納めるために建てた祥勝院が始まりで、1335年(建武2年)、後醍醐天皇の勅命により夢窓疎石建長寺にあった無学祖元の塔所をこの場所に移した。


円覚寺正続院・正法眼堂
正法眼堂

 舎利殿の横には雲水の修行道場「正法眼堂」がある。


円覚寺開山忌
リンクボタン仏光国師坐像


 舎利殿奥の開山堂に安置されている「木造仏光国師(無学祖元)坐像」は、頂相彫刻の秀作で国の重要文化財。





〜源実朝が請来した仏舎利〜

大慈寺跡碑
リンクボタン大慈寺跡

 舎利殿に納められている仏舎利は、1216年(建保4年)、三代将軍源実朝が宋の能仁寺より請来したもの。

 勝長寿院に安置された後、大慈寺に納められていたが、1285年(弘安8年)、九代執権北条貞時円覚寺に創建した祥勝院に移されたのだという。



宋に憧れた将軍〜源実朝の唐船建造・渡宋計画〜


源実朝が請来した仏舎利の伝説





中世の建築様式
〜大仏様と禅宗様〜

甲府東光寺仏殿
リンクボタン東光寺仏殿
(甲府市)
東大寺南大門
リンクボタン南大門
(奈良市)

 鎌倉時代には宋の建築様式が輸入された。

 その代表的なものが東大寺南大門にみられる「大仏様」と、円覚寺の舎利殿にみられる「禅宗様」。

 建長寺蘭渓道隆が禅宗寺院として再興した甲府市の東光寺仏殿は室町時代後期の禅宗様建築物で国重文。









円覚寺洪鐘
リンクボタン円覚寺開山忌

 毎年10月3日の開山忌では、一山の僧侶が舎利殿に集まり法会が行われる。
旧横浜正金銀行本店
リンクボタン神奈川県立歴史博物館(横浜)

 舎利殿の模造が展示され内部の様子を見学できる。





〜特別公開〜

宝物風入
リンクボタン宝物風入

 舎利殿は、正月、ゴールデンウィーク宝物風入などで特別公開されている。



円覚寺宝物風入


宝物風入









円覚寺洪鐘
リンクボタン円覚寺

 円覚寺は、元寇(文永・弘安の役)によって死んだ兵達の菩提を弔うため、1282年(弘安5年)、八代執権北条時宗が創建した。
 開山は、宋の禅僧無学祖元鎌倉五山第二位。


鎌倉市山ノ内409
0467(22)0478

JR北鎌倉駅下車すぐ



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