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女郎花 さかりの色を 見るからに 露のわきける 身こそ知らるれ |
「朝露が降った女郎花の美しい色を見ると、露に分け隔てされて美しく見えない我が身を思い知られます」 紫式部が土御門殿の部屋から外を眺めていると・・・ うっすらと霧が立ちこめている朝の草木の露もまだ落ちない時分に藤原道長が橋の南に咲いている盛りの女郎花を一枝折り、几帳の上から寝起き顔の紫式部に見せた。 この歌は、その時に道長が紫式部に即興で詠ませたもの。 |
白露は わきてもおかじ 女郎花 こころからにや 色の染むらむ |
「白露は花を分け隔てして降るわけではなく、女郎花は自分から美しい色に染まって咲いているのでしょう」 道長の返歌。 |
渡殿の紫式部の局の戸をたたく藤原道長 |
1008年(寛弘5年)7月16日、一条天皇の中宮・藤原彰子は出産のため土御門邸に里下がりする。 彰子に仕えていた紫式部は、渡殿の東側の戸口近くに部屋を与えられていたらしい。 |
土御門殿(土御門邸)は、藤原道長の邸宅。 1008年(寛弘5年)9月11日、藤原彰子は土御門殿で一条天皇の第二皇子・敦成親王(のちの後一条天皇)を出産している。 |
藤原障子の皇子出産と紫式部と源氏物語~『紫式部日記』~ |
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