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夏目漱石の『門』に描かれた円覚寺の山門(三門)。 楼上には十一面観音、十二神将、十六羅漢像が安置されている。 現在の山門は、天明年間(1781〜89年)、第189世誠拙周樗によって再建されたもの。 山門は「三門」とも呼ばれ、三解脱門の略。 涅槃に至るまでに通過しなければならない三つの関門、空・無相・無願を表す。 「円覚興聖禅寺」の額は伏見上皇の勅筆と伝えられている。 |
二階の軒の「たるき」が平行ではなく扇の骨を開いたように放射状に並べられているのが特色で「扇たるき」と呼ばれている。 禅宗様(唐様)建築の特色の一つ。 |
1894年(明治27年)に円覚寺管長の釈宗演に参禅(塔頭帰源院に止宿)した夏目漱石は、のちに小説『門』でそのときの様子を次のように表現している。 「山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空を遮っているために、路が急に暗くなった。 その陰気な空気に触れた時、宗助は世の中と寺の中との区別を急に覚った。 静かな境内の入口に立った彼は、始めて風邪を意識する場合に似た一種の寒気を催した」 漱石のいう門は、山門ではなく総門ではないかという説もある。 |
参禅から18年後の1912年(大正元年)9月11日、漱石は当時東慶寺にいた釈宗演を再訪した。 東慶寺の門前には「夏目漱石参禅百年記念碑」が建てられている。 |
円覚寺は、八代執権北条時宗が宋の禅僧無学祖元を招いて開かれた。 臨済宗円覚寺派大本山。 鎌倉五山の第二位。 |
鎌倉市山ノ内409 0467(22)0478 JR北鎌倉駅下車すぐ |
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