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菩提寺は、651年(白雉2年)にインドの仙人・法道によって開かれたと伝えられる寺院。 西国観音霊場三十三ヶ所の中興の祖とされる花山法皇は、992年(正暦3年)頃、この地を隠棲の地とし、晩年の十数年間を過ごしたのだという。 そのため、菩提寺は霊場ゆかりの地として番外寺院となっている。 本尊は薬師瑠璃光如来。 山号は東光山。 院号は花山院。 真言宗花山院派。 |
開山の法道は、天竺から薬師如来の化身とされる牛頭天王とともに紫雲に乗ってやってきたのだという。 兵庫県には法道の伝承をもつ寺院が多くある。 |
善楽寺戒光院 (明石市) |
如意寺 (神戸市西区) |
紫式部の『源氏物語』ゆかりの善楽寺や如意寺も法道が開いたと伝えられている。 |
本尊の薬師瑠璃光如来坐像、日光・月光菩薩立像、十二神将を祀る堂。 西国薬師四十九霊場第21番札所。 |
西国観音霊場巡礼の開祖は、大和国長谷寺を開いた徳道。 718年(養老2年)、病の徳道が生死をさまよっていると、閻魔大王が夢の中に現れ、悩める人々を救うよう告げられ、観音霊場三十三ヶ所の宝印を授けられた。 しかし、人々に信じてもらうことが出来ず、仕方なく宝印を摂津国の中山寺の石棺に納めたのだという。 それから約270年後、花山法皇はその石棺を探し出し、三十三の観音霊場を巡礼。 そのため、花山法皇は西国観音霊場三十三所の中興の祖と呼ばれている。 西国三十三所の御詠歌は、花山法皇が巡礼の際に木の短冊にしたためた和歌なのだとか。 菩提寺の御詠歌「有馬富士ふもとの霧は海に似て 波かときけば小野の松風」も花山法皇が詠んだ歌。 |
大和国長谷寺 |
法起院 |
大和国長谷寺は、東大寺開山の良弁の弟子・徳道を開山とする観音霊場。 法起院は長谷寺の塔頭で徳道を祀っている。 |
中山寺 (宝塚市) |
石の櫃 (中山寺の石棺) |
中山寺は源頼朝も信仰した我が国初の観音霊場。 宝印が納められた石棺は白鳥塚古墳の石の櫃。 |
菩提寺の境内には、1008年(寛弘5年)2月8日、京都の花山院(御所)で崩御した花山法皇の廟所が建てられている。 |
菩提寺の麓には、花山法皇が寵愛していた藤原忯子と、仕えていた11人の女官の墓がある。 |
花山天皇は、986年( 寛和2年)6月23日、藤原兼家・道兼父子の策略により、京都山科の元慶寺で出家した。 |
藤原忯子の懐妊と死~花山天皇は?父藤原為光は?~ |
兵庫県三田市尼寺352 三田駅北口から 乙原バレー行または母子行バス 「花山院」下車 徒歩20分 |
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