紫式部「光る君へ」


紫式部の歌
~出仕を促す宮の弁のおもととの贈答歌~


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 うきことを
 思ひみだれて
 青柳の
 いとひさしくも
 なりにけるかな


 「嫌なことを思い悩まれて、里下がりが青柳のように長くなりましたね」

 3月ごろ、宮の弁のおもとが「いつ参内なさるのですか」などと書いて贈ってきた歌。

 紫式部は、藤原道長の推薦で1005年(寛弘2年)12月29日に中宮・藤原彰子のもとに初出仕するが、ほどなくして自宅に引き篭もっている。

 先輩女房たちに冷遇されたためといわれる。



 つれづれと
 ながめふる日は
 青柳の
 いとど憂き世に
 乱れてぞふる


 「長雨が降る日は、ますます嫌な世の中に悩まされ、柳の枝のように思い乱れて過ごしています」

 紫式部の心中を察しながら出仕を促してきた宮の弁のおもとへの返歌。





京都:蘆山寺
リンクボタン廬山寺

 廬山寺は、紫式部の邸跡に建てられている寺。

 紫式部は正月に彰子から春の歌を献上するよう言われているが、3月になっても出仕していない・・・

 5月5日には薬玉を贈ってきた人と歌を贈答しているが、この人も宮の弁のおもとかと。



リンクボタン紫式部の歌~出仕後すぐに里下がりした時の歌~

リンクボタン紫式部の歌~春の歌を献上するよう命じられて~

リンクボタン紫式部の歌~先輩女房から陰口を言われて詠んだ歌~

リンクボタン紫式部の歌~端午の節句に薬玉を贈ってくれた人との贈答歌~




紫式部の歌










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