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八坂神社の粽(ちまき)は、7月の祇園祭で授与される疫病・災難除けのお守り。 |
むかしむかしの話。 沙伽羅竜王(しゃからりゅうおう)の娘を娶るための旅に出た牛頭天王(ごずてんのう=素戔嗚尊)。 一夜の宿を求めていると立派な屋敷がありました。 大金持ちの蘇民巨旦(そみんごたん)の家です。 しかし、「貧乏人は泊められない」といって断られてしまいます。 困った牛頭天王。 すると、蘇民将来(そみんしょうらい)という男が話しかけてきました。 「私の家にお泊り下さい」 将来は巨旦の兄でしたが貧乏な暮らしをしていたそうです。 それでも将来は粟飯を炊いて牛頭天王をもてなしました。 喜んだ牛頭天王は、 「あなたの子孫は末代まで私が護ってあげよう」 と言って茅の輪を渡します。 その後、疫病が流行った時・・・ 蘇民将来は牛頭天王の茅の輪を腰に巻いていたことで助かり、弟の蘇民巨旦は一家全員死んでしまったそうです。 祇園祭で授与される「粽」(ちまき)には、「蘇民将来子孫也」という護符が貼られています。 「私は蘇民将来の子孫です。病気や災いから護って下さい」 という意味があるのだとか・・・。 |
蘇民将来のもてなしを受けた牛頭天王は、その後、沙伽羅竜王の三女・頗梨采女(はりさいじょ)を娶り、八人の王子をもうけます。 祇園祭の神幸祭で渡御する八角神輿は、この八人の王子を乗せる輿。 八坂神社の祭神は、素戔嗚尊(すさのをのみこと)・櫛稲田姫命(くしのみたひめのみこと)・八柱御子神(やはしらのみこがみ)ですが・・・ 牛頭天王と素戔嗚尊、頗梨采女と櫛稲田姫命は同一神とされています。 |
八坂神社の摂社・疫神社は、蘇民将来を祀る社。 7月31日に行われる「疫神社夏越祭」は、祇園祭の最後の神事。 |
全国の多くの神社で行われる夏越の祓では、茅の輪をくぐって無病息災を祈ります。 これは、蘇民将来の伝説を起源とする神事なのだといいます。 鎌倉の鶴岡八幡宮では、6月の大祓や8月の夏越祭で茅の輪くぐりが行われています。 |
鎌倉の北条泰時と北条時頼の邸跡から出土した木札(呪符)。 北条氏も屋敷の入り口に魔除けの札を打ち付けていたようです。 |
祇園祭は、869年(貞観11年)から続く八坂神社の祭礼。 |
四条御旅所は、7月17日の神幸祭から7月24日の還幸祭まで神輿が奉安される場所。 |
京都市東山区祇園町北側625 京阪電車「祇園四条」駅より徒歩約5分 阪急電鉄「京都河原町」駅より徒歩約8分 JR京都駅から市内循環バス 「祇園」下車すぐ。 |
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