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興福寺北円堂の無著・世親像は運慶の指導の下で制作されたもので、日本の肖像彫刻の最高傑作といわれている。 無著(むじゃく)と世親(せしん)は兄弟。 5世紀の北インド・ガンダーラに実在した人物。 |
興福寺は法相宗(ほっそうしゅう)の大本山。 法相宗は、奈良時代に平城京を中心に栄えた日本仏教(奈良仏教)の一つで、古代インドの「唯識思想」を基にした宗派。 「唯識思想」(ゆいしきしそう)とは、 「すべての存在はただ心によってのみ成り立っている」 という思想。 その思想を大成させたのが無著と世親。 無著は、はじめは小乗仏教(上座部仏教)の僧だったが、弥勒から「あらゆる存在は自分の心がつくり出したもの」と教えられ、大乗仏教の僧となった。 弥勒(みろく)は、未来仏として信仰される弥勒菩薩と同一視されてきた僧。 小乗仏教は個人の悟りを追及するのに対し、大乗仏教はすべての衆生の救済を目指すもの。 世親も小乗仏教(上座部仏教)の僧だったが兄の無著に従って大乗に転じ、その著作の多さから「千部の論主」とも称されている。 |
無著像は、運慶の六男とされる運助が担当。 |
世親像は、運慶の五男とされる運賀が担当。 |
北円堂の本尊は弥勒如来。 弥勒如来は、釈迦の入滅後、56億7千万年後に救世主として現れるとされている未来仏(弥勒菩薩が悟りを開いた姿)。 無著・世親像は弥勒如来の脇に立っている。 |
2025年、 鎌倉復興期の北円堂が再現される! |
興福寺は、平城京遷都の710年(和銅3年)に創建された藤原氏の氏寺。 平安時代には南都七大寺に数えられ、古代・中世を通じて大和国を支配した。 |
奈良市登大路町48番地 JR奈良駅から市内循環バス「県庁前」下車すぐ。 近鉄奈良駅から徒歩5分。 |
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興福寺は世界文化遺産 (古都奈良の文化財) |
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